養武法 主な指導内容

 

1.呼吸意念

臨床学では、呼吸を第一次呼吸と第二次呼吸に分けて考えています。
第一次呼吸とは、肺呼吸よりも原初的な呼吸運動で、脳と脊髄を取り巻く硬膜(中枢神経系を取り巻く最も外側の膜で、比較的強靭で弾力性が無い)の境界に見られる脳脊髄液を中心とした全ての体液と構造、及びそこに直接付着している構造が含まれる不随意運動(脳の固有運動と脳脊髄液の動揺により引き起こされる髄膜の緊張・弛緩、さらにそれから生じる頭蓋骨関節の可動性と仙骨の規則的に緩やかな揺らぎにいたる整合された身体全体の微妙な運動)をさしています。
第二次呼吸とは、肺の喚気的な不随意・隋意の肋骨と大隔膜を中心した肺呼吸(ガス交換)をさしています。
上記の第一次呼吸と第二次呼吸の組織的繋がりの重要な橋渡しが筋膜・間膜・隔膜・腹膜・硬膜・骨膜・等の膜と結合組織です。そして全体の呼吸運動は骨格によるギア運動と膜による滑車運動を伴った、屈曲伸展・収縮と膨張・に類別認識できます。
  • 呼吸のメカニズムを理解する上で、臨床・解剖・生理学等による呼吸の運動構造(身体の滑車やギア的連動性と、張力や圧縮に対するテンセグリティー構造)を、第一次・二次呼吸をふまえながら理解していきます。
  •  肋骨と横隔膜の関係・腹膜と脊柱の距離感・腹部と股関節の関係・四肢と脊椎や頭部、骨盤の関係等を学習します。
  •  胸郭と腹部の両方を使い呼吸運動を認識しながら呼吸のサイクルと武術的コアを学習体得します。

2.立禅

立禅とは中国武術や養生法に存在する静的練功法で、太気拳と言う武術で最初にそう呼ばれる様になりました。そして養武法では、立禅から始まり立禅で終わる程、重要な訓練法です。
  • 内観して<抑制>を意念し、呼吸運動を意識想像しながら確認して適切な<増強>を体得し武術的コアを確立していきます。
  • 呼吸運動がある程度体得できたら、姿勢意念を内観し、体得します。
  • 姿勢意念がある程度体得できたら、六面力・争力・合力・三角力・斜面力・滑車力・振り子力・螺旋力・バネ力・整体力・換力・八象・縦十一軸・三軸円・糸力・刃筋力・透し・うねり・シンボル・エレメント等を学習し体得します。
  • 上記がある程度体得出来たら、各種手形や姿勢の異なる立禅を学習体得して、様々なシュチュエーションに対応出来るよう訓練します。
  • 違和感や辛さ、痛み・疲労等を感じたら、やっていることをやめ、内観し<抑制>を意念しましょう。そして呼吸運動から新たに動いて適切な<増強>を模索してみましょう。

3.歩禅

立禅で体得した感覚をたもちながら、呼吸運動をふまえた歩法を訓練します。
  • 立禅の感覚のまま、平行(二線)・線(一線)・転回・斜・三角・圏・回旋・開合・交叉・進退・六面・八象・震脚・転換等に移行し内観、意念、呼吸、意識、身体操法等を学習体得していきます。
  • 上記がある程度体得出来たら、動禅や目的動作に移行する準備が出来ているか確認していきます。
  • うまくいかない場合は立禅に立ち戻りましょう。

4.動禅

立禅で体得した感覚を保ちながら、歩禅で訓練し体得出来た事を生かし実際に動いてみます。
  • 武術的基本功(アイソメトリック・アイソトニック・プライオメトリック・スタビライザーに対する武術的連功)やストレッチ(スタッティック・ダイナミック・バリスティックに対する武術的連功)を立禅の感覚を保ちながら行い学習しエクササイズします。
  • 実際に歩法を付けながら身体を練るように動いてみます。
  • 各種シュチュエーションに沿って緩急と訓練及び実用を学びます。
  • 色々な意念エレメント(要素や精)を運動の身体操作に利用します。
  • うまくいかない場合は、立禅・歩禅に立ち戻りましょう。

5. 武器禅

機器を使い筋肉や神経に刺激を入れ、動禅の足りない部分(認識や運動)を補います。棍は武器の母ともいわれ、武術の基本訓練には最適な機器です。そして日本刀の形をした木刀は、繊細な力の方向性や繋がりを学習し育む事が出来ます。
  • 棍による左右の回旋と突きや、槍等で使われる上下前後抑え螺旋・変化等を学び、骨盤や体幹との連動や武術的身体の原点を探ります。
  • 上記の歩法のバリエーションを学習します。
  • 対人稽古で総合的学習をします。
  • 木刀により三軸円と刃筋、踵との連動や、太刀筋の太刀風を受ける様な越す拍子・乾いた当りの当る拍子・しっとりと刺し添える付ける拍子、手首や手打ちにならず、目付けや鼻筋と身の切り離し、大幹の縦3軸が一重身になりうねりながら体幹と股関節で踵を踏みつけ、前足に乗らず膝をえまし、沈身になりながら刀中蔵で身体を折敷く等、刀法の基本概念の重要性を理解します。

6.推手禅

対人練習では、感覚の使い方、互いの情報伝達を踏まえ、育み合う関係性を大切にしながら、立禅・歩禅・動禅・武器禅で体得した感覚を確認交流して行きます。
  • 各種歩禅の歩法を使い、色々な手形やシュチュエーション(アイソメトリック・アイソトニック・プライオメトリック・スタビライザーな武術的使い方)により手を触れ合いながら、学習し体得していきます。
  • 各種目的に合わせて、実用に近い訓練をして行きます。
  • 相手との距離が離れても推手禅の感覚を生かし動いてみます。
  • うまくいかない場合は、各種禅に立ち戻りましょう。

7.クラニアルテクニック

上記の1~6の禅的方法論と対を成す技術がクラニアルテクニックの臨床学です。
呼吸整体とも言われ、第一次呼吸と第二次呼吸の環境(神経及び精神・骨格構造及び骨関節・循環臓器及び他の内臓・体液・エネルギー・軟部組織・結合組織・のネットワーク)を整え、潜在的知能である〈イネートインテリジェンス〉を高め、ホメオスターシス及び先天的治癒力や様々な能力向上を促進します。
まずは、基礎的理論とテクニックを学びます。
  1. ストレッサー(気候、ウイルス・ビールス、重力、精神)について。
  2. 簡単な臨床・解剖・生理学。 
  3. 身体の構造・機能における問題形成の原因について。
  4. 硬膜問題と筋肉結合組織の問題及び機能問題について。
  5. 内性体性問題と体性内性問題について。
  6. 皮下筋膜へのアプローチについて。
  7. 実際にどのように感じ、どこにコンタクトするのか。
  8. ボディーランゲージとマインドランゲージについて。
  9. 呼吸整体法について。
  10. 基礎的整体動作訓練法。
  11. 脳脊髄液還流増産法。
  12. 脊椎問題の改善方法。
  13. 胸郭問題の改善方法。
  14. 骨盤問題の改善方法。
  15. 四肢関節の改善方法。
  16. 筋肉結合組織の改善方法。
  17. 内臓問題の改善方法。
  18. 頭蓋骨問題の改善方法。
  19. 顎関節問題の改善法。
  20. 口蓋問題の改善方法。
  21. 顔面問題の改善方法。
  22. 軟部組織問題の改善方法。
  23. エネルギー反射改善法。
  24. 経絡的改善法。
  25. その他のテクニック。

以上が今現在の養武法の大まかな内容になります。

これらは提案であり、皆様の悟性的自由への足しになれば幸いです。又、養武法は一般の方・武術家・格闘家・芸術家・アスリートの方たちをはじめ、実際の介護や臨床の場で効果を得ている技術です。現場での体験された感想を頂きながら、生かし育み合う関係性に発展出来る事を願っております。      大関智洋拝


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